2021年末廣博子個展The Fullerton Hotel Singapore開催レポート

2021年4月9日(金)から14日(水)までの6日間、シンガポールを代表する五つ星ホテルとして有名なThe Fullerton Hotel Singapore(ザ・フラトンホテル・シンガポール)にて末廣氏の個展が開催されました。
壮麗なホテルのロビーに15点の作品を展示。コロナ禍にもかかわらず観光客、宿泊客など多くの来場者で賑わいました。

会場となったロビー

長く日本のアートに触れる機会のなかったシンガポーリアンからは、末廣氏の書アートの洗練された表現に多くの賞賛が寄せられました。「海外にも日本の書の美しさを広めたい」と長年活動を続けている末廣氏。古典の書を熟知していることで、和紙・墨の持つ奥深さと、文字の持つ意味や形を独自に表現した作品は、国境を越えて楽しむことができます。

「龍」
左「風」、右「蝶」

出展作品の中で一際注目を集めた「バレエ 五人舞」。
作品について寄せられたコメントには、繊細で上品な表現に集約された末廣氏自身の美意識に深く心を動かされたという声が多く、自身のバレエ経験や、皇室の高円宮殿下のご提案により生まれた作品であることに対する表現にたどり着くまでの過程や作家の感性にまで思いを及ばせる来場者が多かったことが非常に印象的でした。

来場者から特に人気を博した「バレエ 5人舞」

またフラトンホテル総支配人ジョバンニ氏へ作品「光源氏 舞」を寄贈、シンガポール政府観光局へも作品を寄贈予定。
末廣氏の作品はアートの国際交流の象徴としても大きな役割を果たすこととなりました。
伝統的な書芸術と現代の感性によるジャパンアートとしてシンガポールの人々に大きく歓迎を受けた今回の展示。
今後の末廣氏の国際的な活躍にも期待が高まります。

「光源氏 舞」寄贈時
作品を熱心にカメラに収める来場者
様々な角度から作品を鑑賞する来場者

鑑賞者は一つ一つの作品を見るとともに、作品ごとに全く違う表情を見せる墨の世界に驚嘆し、更には末廣氏が書に向き合ってきた膨大な時間や、意識の深さに思いをはせていました。
また、『舞』の漢字で表現する日本の伝統文化の能・歌舞伎の演目に登場する人物などのテーマは、自由な旅行が難しい現状において日本のイメージや「和」のイメージを彷彿とさせ、来場者から大変喜ばれました。

「夢二舞 愛してちょうだい」

シンガポールを象徴するフラトンホテルでの本展示は「洗練された日本のアート」を感じさせ、そのシンプルな美しさは多くの来場者に感動を与えました。

一覧へ戻る